【仮面ライダーセイバー】第9章「重なり合う、剣士の音色。」感想
ストーリー
■それぞれの役割?
鍛冶師として武器のメンテナンスを請け負う大秦寺さんは兎も角として
天然で人間界の常識に疎く、メギドや本についての知識も最低限しか持っていない倫太郎。
独善的で自信過剰、大雑把な尾上さん。
人間性が欠落し、メギドや本についての知識、人間界の常識を持ち合わせていない蓮。
この三人に振れる戦闘以外の役割ってありますか?
調査も追跡もダメそうなんですが、一体何ができるというのだろう。
ギリギリ見えている敵を追う事ぐらいはできそうですが、見失った敵を再追跡するような能はなさそうです。
唯一まともそうなのは賢人ですが、賢人は賢人で脳筋なので調査任務には向いているとは言い難く、深刻な人材不足ですね。
そもそも「どこに行ったの?」とか「何しているの?」って質問なのに、何故そんな曖昧な返答をするのでしょう?
特にぼかす必要性や理由があったようには感じられませんでしたが、飛羽真には話せない事情でもあったのでしょうか?
ソフィアのリアクションが謎過ぎます。
特に意味のない脚本上のミスだと思いますが、反応が不可解すぎて若干怪しくすら見えます。
そう言う反応はソフィアがすべての黒幕だった場合だけにして下さい。
■飛羽真の反応がおかしい
以前の話で大秦寺さんがスラッシュと呼ばれる剣士であると察する場面があったにもかかわらず、今回の話では繰り返し大秦寺さんを非戦闘員として扱い危険から遠ざけようとするシーンがあり、非常に違和感があります。
鍛冶師である大秦寺さんが、実は剣士でもあると言う演出をしたいのだろうなと察する事はできるのですが、以前の話を把握していない、意思疎通がなされておらず認識に食い違いがある状態が露呈していて非常に残念です。
また、駆け付けた大秦寺さんからキングオブアーサーを受け取ったのに、奪った西遊ジャーニーで同色三冊コンボを使って戦っていたのも微妙な気持ちになりました。
同色三冊変身は統一感があってカッコイイのですが、あの場面であっさりとアーサーから鞍替えされると別にアーサーなんて必要なかったかのように思えてしまいます。
あれではわざわざキングオブアーサーを持って駆け付けた大秦寺さんがあまりにも不憫です。
■賢人
特に何かあったわけではないはずですが、カリバーに対する激情を御せる程度には心の整理がついたんですね。
前回、飛羽真のシナリオに従ってカリバーを完全に無視していたのも、そう言った心境の変化によるものだったのかな?
成長するのは歓迎すべきことなのですが、そう言うものは一大イベントなのでもう少し賢人の心境の変化はきちんと描いて欲しかったですね。
描写の不足を感じます。
■玲花
拠点にあっさりと潜入して、隠れるでも暴れるでもなく会話に混ざった謎の女性ですが、まさか何の掘り下げもなく、謎のまま登場回が終わるとは思いませんでした。
終わり際に漸く姿を現した謎の存在というわけでもないのに終始謎のまま終わるようなことがあろうとは…。
彼女の登場を今回無理に詰め込む必要があったように思えませんね。
ある意味斬新ですが、視聴者はどうすれば良いのでしょうか?
このキャラは結局何の為に出てきたのだろう。
来週その正体や目的が明かされるかどうかさえ定かではないので、どうしたいのか解りません。
■見えにくいアヒルの子
一羽だけアヒルモチーフではないメギドがいるのかと思ったら、「醜い」ではなく「見えにくい」アヒルの子でしたか。
何故透明なのか最初解らなかったのですが、納得です。
元ネタありのワンダーライドブックは微妙に元ネタからずらしたタイトルに変更されており、作中でどんな内容の本なのか語られることもなく、メギドのギミックにも活かされていない、或いはギミックがあっても元ネタとまったく一致しないので予想できない構造をしておりあまり好きではありませんでしたが、今回の小ネタは良いですね。
バカバカしいダジャレですが、解り易くて面白いです。
■カリバー
必殺技で拘束するのは良いのですが、拘束エフェクトがすぐに消えてしまうのは絵的にどうかと思います。
何のエフェクトもなく棒立ちしているだけなので、随分と滑稽に見えます。
拘束後にライドブックを1冊ずつ盗んでいくのもよく分かりません。
何故、ソードライバーごと奪わない?
アヒルメギドが大秦寺さんにやられている間も何もしていませんし、カリバーの挙動にやる気が感じられません。
何もかもに手を抜いているように見えます。
アクション
今回のアクションは凄く良かったです。
アヒルメギドの攻撃を躱し、受け、弾いて生身で戦いながらの変身シーンは最高にカッコ良かったです。
倫太郎・賢人はちゃんと動きを変身後の太刀筋に合わせてくれているのがまた良い。
短いカットですが、挙動が美しく見応えがありとても良かったです。
変身後も斬撃と蹴りを組み合わせた殺陣を見せ、変身前とはまた違った動きでこちらも良いですね。
特にエスパーダはバク転、踵落とし、回転斬り、ハイキックと多彩な動きにマントがひらひらと舞い綺麗でした。
みんなの決め台詞が聞けたのも良かったです。
必殺技の爆発をバックに決め台詞が入るとアガりますね。
■スラッシュ
スーツ・専用武器共にカッコイイですね。
剣と銃へモードチェンジするギミックも単純にグリップの角度が変わるのではなく、展開し砲身が出てくる構造が凝っていて惚れます。
専用装備にこう言うギミックが付いているのは男子は大好きですからね、どんどんやっていこう。
モードチェンジに合わせて性格が変わるキャラも面白いですね。
普段が寡黙なので戦闘時にonになるだけのようにも見えますが、個性的ではあります。
低い姿勢から抜刀し、お菓子に囲まれて剣舞を舞う変身シーンもファンシーで好きです。
SEまでファンシーですね。小さい所にもちゃんと拘っているのは好感が持てます。
役者さんの動きも良いですし、最後突きで〆る所が他の剣士と差別化されていてGOOD.
スラッシュの動きも良いですね。
剣撃の方は個性的と言うほどではありませんでしたが、アヒルメギドのキックを避けながらの斬り上げ→斬り下ろしの動きは綺麗でした。
銃モード時はリュウタロス以来の軽快に踊りながら銃を撃つキャラで懐かしさと新鮮さを感じました。
片手倒立しながら銃撃していたりして、単純にアクションとしても凄かったです。
ただ、他のライダーに比べてモチーフが伝わり難いですね。
一応チョコレートのような装甲板と足元のドーナッツは解らなくはありませんが、もう少し伝わり易くてカッコイイライドブックがあったのではなかろうか。
大秦寺さんのライドブックは何でも良かったはずなので、チョイスがイマイチだったかなと思います。
元ネタとは違い、ヘンゼルナッツとグレーテルはブレーメンのロックバンドと繋がったお話のようですが、CM明けのライドブックの説明を見ない限りそこが伝わらない点もマイナスです。
どうにも視聴者には伝わらない脳内設定を公開情報・既知の情報として扱っている節があるので、直して欲しいものです。
■クリムゾンドラゴン
カメラワークのお陰でとても迫力があって良かったです。
如意棒を伸ばしての中距離からの攻撃方法もライドブックの内容を考えれば納得の挙動ですし、ピーターファンタジスタやジャックくんとど豆の木ではやらなかった動きなので特色が出ていると思います。
配色的に統一感もありますし、個人的にはキングオブアーサーよりもこちらの方が好みですね。