仮面ライダーゼロワン 第29話「オレたちの夢は壊れない」感想
ストーリー
・人間とヒューマギアのハイブリット
脳内に人工知能が入っているヒューマギアとのハイブリット!
埋め込まれたチップが亡のものなので、不破さんは滅亡迅雷にしか使用できないアサルトウルフを使用できたと。
チップの話が出る前までは暗殺ちゃんと同じで、亡を改造したヒューマギアが不破さんなのかなとも思いましたが、人間とヒューマギアが両立した状態だったんですね。
成程、これは面白い設定ですね。
色々な方向に転がせます。何やってもカッコよく落とせるので夢が広がる!
……夢が広がるこんな素敵な設定だったのに、1話でそれが発覚して1話で解決してしまうとは思いませんでした。
でも、カッコ良かったからヨシ!
ランペイジ初変身時の不破さんの圧倒的主人公感。
設定的にも或人くん以上に主人公していますね。
まさか1話の内に自力で解決してしまうとは…。
メタルクラスタ―を自力で制御できなかった或人くんの株が相対的に下がる気もしますが、自分の信念やルールに拠って立つ諫と、ヒューマギアと共にある事を拠り所とする或人との対比と言う事なんでしょう。…たぶん、おそらく、めいびー。
どうにも或人くんが間抜けに見えて素直に呑み込めませんが、不破さんが主人公を食ってしまう程にカッコいい事は確かです。
前回までヒューマギアの暴走の影響もあり或人くんの話に誰も耳を傾けてはくれない中、きちんと或人くんの話を受けて自分の中の憎悪を昇華し、ZAIAの鎖を引き千切って反逆する狂犬具合が良い。
しかも、その理由が元同僚だった唯阿の為なのですから、熱い!
唯阿がジャッカルレイダーになったのは命や魂を司る番人的なニュアンスの他に、野生の狼である不破と、ZAIAに縛られた番犬である唯阿の対比みたいな意味合いもあってのモチーフなのかも知れませんね。
或人くんとの対比を考えると思う所もありますが、不破さんのシーンは最高にカッコいいです。
・1000%社長=5人目の滅亡迅雷net
人間に滅亡迅雷のAIを埋め込んで操ったり、マギアをばら撒いたり、レイダーをばら撒いたり、この人完全に滅亡迅雷の一員ですね。
ヒューマギアのガバガバセキュリティと同じぐらい危険な人類。
自身の思想と利益の為に無差別破壊工作を行うテロリストです。
滅亡迅雷のヒューマギア、亡の持ち主が1000%社長なのですから、人権がなく責任能力も無さそうなヒューマギアの責任を負うべきは持ち主の1000%社長でしょう。
これで滅亡迅雷とは無関係だは流石に通らないと思うのですが、誰もそこにはツッコまないんですね。
・福添副社長
最近、出番がちゃんとあって嬉しいです。
或人くんとは違って、常識的で正しい意見を言ってくれるので好きです。
チェケラも悪かったし、最早良いとか悪いとかの問題ではないんですね。
本来、福添さんの立場なら、或人くんはそれこそ蛇蝎の如く嫌っても不思議ではありません。
それなのに会社を去るとなるとわざわざ声をかけてくれる所に、彼の人の好さが滲み出ていますね。
・結局なんだったのだろうか?
これだけ長々と尺を使って、ZAIAが飛電を買収をしましたと言うだけですよね?
1000%社長が何を思って勝負形式にしたのか、全く解りません。
或人くんに特に思う所があるようには見えませんし、勝負に対して何か思い入れがあるわけでもないようですし、何故ビルドの代表戦の如き無駄に尺ばかり食う茶番を差し挟んだのか理解に苦しみます。
あえて言えば前社長に対しては何か抱えていそうな雰囲気でしたが、或人を通してそれを見ている風でもありませんし、「道具が意思を持つな!」も結局何故それに拘っているのかが全く解りません。
これだけ時間があったのですから、もっと1000%社長の内面を描写しても良かったと思います。
実に勿体無い時間の使い方ですね。
ナルシストで高慢でライバルキャラとしては非常に良いキャラだと思うのですが、彼のバックボーンや内面の描写が無い為、いまいち愛されていないと言うか、嫌われているのが本当に勿体ない。
こんなに良いキャラ造詣で、役者さんも上手いのに、脚本のせいで台無しです。
1000%社長に焦点を当てないのであれば、主人公の或人くんが社長として、または人間として成長する為のエピソードなのかなと思えば、それも違います。
彼はこの買収騒動の最中、特に何もしていません。
その場に一緒に居て、状況が動いているのでそれに合わせて何某かのリアクションは行っていましたが、能動的なアクションは絶無です。
ヒューマギアが暴走するのを止める事ができず、サクラを仕込まれ世論誘導を受け、一矢報いる事すらなく、ただ完敗した状態でタイトル回収の「オレたちの夢は壊れない」なので、説得力がありません。
社長二人に焦点が当たっていないのであれば、ヒューマギアがいかに社会に浸透し、人の生活を支えているのかを漸く描写するのかと思えば、それもありません。
マンモスの時の病院の方がよほど詳しかったぐらいです。
ひょっとしたら職種によって受け入れられている度合いが違う事を描写する目的なのかも知れませんが、それは好意的に解釈し過ぎですね。
そんな意図は一切なかったのではないかなと言うのが正直な感想です。
このオシゴト5番勝負が何を描く為のエピソードだったのかが全く理解できません。
アクション
・ランペイジガトリング
変身シーンが超カッコイイですね!
あのシーン、不破さんの語りも含めてゼロワンの中では一番好きなシーンかも知れません。不破さんカッコ良過ぎる。
ただ、前々から思っていましたが、ショットライザーがダサイです。
せめてプロップ版は銃口だけでもきちんと穴を開けてくれていたらなと思います。
変身シークェンスのゆっくりと銃を構えるポーズは、銃口が塞がれているいかにも玩具なショットライザーに目が行ってしまって、少々残念な気持ちになります。
フォースライザーの原色そのままな黄色いパーツと同じぐらいなえます。
そもそもショットライザーの形状が気に入らないので、ランペイジを機にアサルトライフル型やショットガン型の不破さんが持っていても違和感の少ないもっと無骨な銃器ベースにして欲しいです。
銃を腰に着けてバックルにしようとする発想が失敗だったと思います。
また、カラーリングも個人的にはいまいちです。
綺麗な青で悪くはありませんが、アサルトウルフのようなネイビーブルーの方がカッコ良かったです。
とは言え変身シークェンスの部位ごとに装甲を装着していくシーンは非常に良かったですし、左右非対称でメカメカしいデザインも大好きです。
背中に付いているファルコンが翼の他に、必殺技時のアンカーになるギミックが良いですね。立体化したらオプションで展開形態の翼とアンカー形態の翼が欲しくなります。
立体化はまだですか!
必殺技もスピード、パワーについてはエフェクト・動物の選定・アクション、そのいずれも文句はありません。
派手ですし、選択したキーも納得いくチョイスだったので良い必殺技ですね。
ただ最後のオールブラストはショットライザーでは映えませんね。
アレに見合うもっと大口径で存在感のある銃器を構えて欲しかったです。
ついでに、どうせならOPではなく専用曲が欲しかったです。