騎士竜戦隊リュウソウジャ― 第2話「ソウルをひとつに」感想
ストーリー
1話は説明とキャラ紹介で忙しいなりにアクションとストーリーを概ね満足できるレベルにまで落とし込んでいましたが、2話は少々ガッカリです。
まず、開幕にコウが発した「ティラミーゴが居ない」というセリフ。
なんです、これ?
固有名称を付けていないとしても、三体の姿が見えないのですから「ティラミーゴたち」
或いは「騎士竜たち」と複数形で言うべきです。
コウが能天気で少々脳の栄養が足りていないキャラであると言う事は伝わりますが、そう言った純粋なキャラであるのならば猶更、姿の見えなくなった仲間はきちんと心配する描写を入れるべきでしょう。
これではコウが自分用の備品を探しているだけで、他の二人用の備品については全く関心が無いように見えます。
かと思えばティラミーゴを探している最中にういと再会し、何故か捜索を中断し仲間内で特に相談もないままにういの家へ居候する話へとシフトします。
まるで読書中に1ページ読み飛ばしてしまったかのような強い違和感に襲われました。
その後も何の相談も心情描写もないままに騎士竜捜索を放置しフェンシング選手の話にシフトしたりと、進行上の都合に動かされているようにしか見えません。
少なくとも、祖先が産み出し神殿に祭られていた存在を捜索しているようなある種の必死さや心配している様子はまるでなく、とても杜撰な扱いを受けているように感じられました。
マイナソーが巨大化して漸く思い出したかのようにティラミーゴの捜索を再開するのは、お話の展開としてもっとスマートにできなかったのでしょうか?
あの場には健忘症の人間しかいないの?
結局1話丸々使い潰してティラミーゴが戻ってきただけなのに、まるで騎士竜の捜索は終ったかのようになっている点も非常に気になりました。
トリケーン・アンキローゼは付属品だから居ても居なくても構わないのでしょうか?
1話・2話と見ても何を思い旅立ち、何の為に戦うのかも見えない非常に不安になる出だしです。
前作のルパパトは1話からきっちりと面白いストーリを展開し、主人公達の胸の内を描写してくれました。
本作もあれぐらいの素晴らしい物語を見せて頂きたいものです。
アクション
■スーツ
素早い足捌きと手首の捻りを加えたレイピアでの受け流しは素人目にもフェンシングっぽく見え、カメラワークも相まってなかなかカッコよかったと思います。
その後のユニコーンマイナソー保護の為に登場したドルン兵も、狭い橋の上に盾を構え、隊列を組んだ状態で登場する為、兵数が少なく見栄えが劣る画を上手くカバーしており、アクションシーンは1話同様に見応えのあるものだったと思います。
最後に登場したタンクジョー様が橋を両断しつつ振ってきたり、クレオンに微妙にからかわれていたりする所も良かったです。
現状リュウソウジャー側は個々の描写に乏しく魅力に欠けるので、敵幹部の方が魅力的に映るぐらいです。
■スーツVS巨大怪人
ロボを使わずに巨大化した怪人と戦うのは珍しいですね。
しかし、メルト・アスナ共に多少時間は稼げているように見えましたが、あまり効果的に遅滞戦闘を行なえているようには見えませんね。
戦隊が噛ませ犬になる事でマイナソーの強大な力は印象付けられましたし、騎士竜の必要性も感じられるので生身で戦うのは良いのですが、であれば尚更何故大事な騎士竜の探索をお座成りにしていたのか、苦戦している場面を見れば見る程疑問に思ってしまいました。
今後も生身で巨大怪人と戦うのであれば、恐らく各種ソウルの販促・宣伝用になると思うので、これ以降は見越妙のある戦闘があるものと期待しています。
■ロボ戦
ティラミーゴが恐竜形態のまま走っていて感動しました。
あの形態でもあんなに軽やかに動けるのですね。とても素晴らしいです。
スーツ戦と違って銃器を装備している為、銃を撃ちながら突撃、タックル⇒テールスイング⇒噛み付き拘束状態で銃を連射と、生物らしさと武装が組み合わさった良いシーンだったと思います。
ただその間のリュウソウジャーの姿勢はいただけません。
何故か何の援護もせず、無邪気に応援しているだけ。彼らは何を考えているのでしょう?
そうして指を咥えて眺めている間にティラミーゴがやられ絶望。
自分では何もせず、勝手に他者に期待して、勝手に裏切られて、心折れる。
もうどこがヒーローなのか。
強大な敵を前にして希望が潰えかけ、それをリーダーが励まし、団結し状況を好転させる。良いシチュエーションだとは思いますが、なかばマッチポンプでやられても困ります。
最後は人型形態キシリュウオーへと変形して倒すわけですが、その際にタイトル回収をする流れは美しいと思います。
それで、ソウルとはなんだね?
色々と説明が入っていますが、リュウソウルについて視聴者はほぼ無知です。
変身アイテムで、何故かロボの顔になる程度の認識なのですが、あの人形を投げてティラミーゴの上に一瞬跨ったのは何故なのでしょう? 何の意味が?
いつの間にかコックピットに居たことと関係があるのでしょうか。毎回投げて人形が跨るシークェンスが入るのは冗長ですよ?
人型への変形シークェンスは理解不能でしたが、アクションシーンは非常に良かったです。
両腕が普通なのでスリーナイツよりも細身で小柄な印象で、遊歩道をハードルのように飛び越えたりと非常に軽快に動いているのが印象的でした。
恐竜形態に引き続きの銃撃や、パーツ組み換えによる打撃も行っており、キットでの組み換え遊び・ブンドドが捗りそうな一戦でした。
玩具としても戦闘のメリハリとしても実に良いと思います。
ただ、今回もロボ戦からメルト・アスナはハブられていました。
スリーナイツ形態ではないので、前回ほどこいつら要らないパーツだな感はありませんが、何の役にも立っていないだけでなく、その状況を完全に受け入れており、納得がいきません。
前回焼き尽くされた師匠の事、そんなに好きじゃなかったんでしょうか?
アクションシーンは良かったので、描写の乏しい主人公チームの心情が気に掛かります。
次回は更に人数が増え描写が雑になりそうなので、不安で一杯です。
DXキシリュウオー スリーナイツセット
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