【仮面ライダーセイバー】 最終章「終わる世界、生まれる物語。」感想
吊り上げられる飛羽真
ちょっと絵面がシュールで笑ってしまいました。
しかし、唯一自我を持ち勝手に動くプリミティブドラゴンライドブックが、暴走以外で自発的に動き、ピンチの飛羽真を助ける流れは最高にエモイですね。
暴走時に大暴れしていたプリミティブの腕が味方として動いているのも素晴らしい。
良き暴走フォームの使い方です。
これを考えた人は賢い。実に良く解っていらっしゃる。
ワンダーライドブックが消える
プリミティブドラゴンが消え、飛羽真の変身は解けたのに、ストリウスとストリウスが持つグリモワールは全く影響を受けていなかったのは何故でしょう?
なんなら全知全能の書の断片を取り込みメギドとなっているストリウスの方がワンダーワールドが消える事象の悪影響を受けそうな気がするのですが、何故平気そうにしているんですか?
ワンダーオールマイティ
「飛羽真の話が聞きたい」「新しい物語を作って」と言いつつ、ルナ主導で、ルナが変形して、ルナから新しいワンダーライドブックが産まれましたね。
飛羽真の作った、新しい物語は、何処?
今まで散々「小説家」「物語の結末は俺が決める」「飛羽真は新しい物語を作れる」と本を産み出す存在であると強調し、そこに主人公たる飛羽真のアイデンティティが詰まっていたので、私はてっきり飛羽真が書いていた本が元になって最終回用初期フォームになるのではなかろうかと思っていたのですが、一切関係なく飛羽真がぼーっと眺めている前でルナが最終回フォームのキーアイテムを作ってしまいました。
ルナが何かしてライドブックが産まれるのは構いませんが、せめて雛型に飛羽真の本を使って下さいよ。
聖剣は確かに剣士としての飛羽真の軌跡を示す、飛羽真の歩んだ物語を象徴するアイテムですが、飛羽真が生みだしたものではないんですよ。
小説家としての飛羽真を象徴するアイテムからライドブックを産まないと。
実にガッカリです。失望しました。全然エモくない。
最終回までこれですか、あれでは何ら面白みがありません。
彼は主人公なのに、ここぞと言う時には毎回何もしてないんですよね。
まったく何が小説家だよ。飛羽真くんはただ舞台の上で踊らされるだけの道化だよ。
アクションも酷かったです。
殆ど動かずCGでワチャワチャして、最後は棒立ちのストリウスを三人でリンチ。
プリミティブまでは良かったのにカッコ悪い最後ですね。
芽衣さん
一般人のヒロインが重要な役割を担う展開は珍しいな。何をするんだろう。
などとそれなりに楽しみにしていたのですが、Twitterに投稿するだけで2話も時間かけたんですか?
尺の取り方おかしくない?
それ、前回のお話中に済ませられたよね?
何で引っ張ったの?
そもそも芽衣さんは何がどうなると思って終末Twitterに勤しんでいたのでしょう?
ストリウスはそれで良いの?
人間に想像力はどない。
自分が作ったと思っていた物語は世界が生みだした物語で、自分自身は世界の産み出した物語を出力する装置でしかないと知り、その事実に絶望し、せめて最後だけは自分自身の手で自分が望む終焉をと暴挙に走ったストリウスがあんな安い説得で納得するとは思えません。
受け手の気持ちも含めて全てが予定調和で、予め決められたものを出力しているだけの紛い物に過ぎないんですよ?
聴衆が満足していれば良いやとはならなかったからストリウスの行動があるのに、あれでストリウスが納得し救われる意味が解りません。
ゼロワンのヒューマギアへの対価の時にも思いましたが、敵側が提示した問題提起を全部無視することで解決したことにするぐらいなら、最初から敵側に共感や理解できる行動理由など持たせないで下さい。
何も言えない、何も解決できない主人公がアホに見えます。
結局何がどうなったの?
ストリウスの生存が世界の崩壊の条件とは無関係なので、ストリウスを倒しても世界の崩壊は止まらない。
そこは良いのですが、結局、何故ワンダーワールドが崩壊したのでしょう?
そして何故、物語の思い出を投稿すると世界の崩壊が回避されるのでしょう?
最後に飛羽真が戻って来たのも謎です。
そもそもワンダーワールドから出られない理由が解らないので、何故行き来できるのかも理解不能です。
終始ストーリー上で何が起きていて、主人公たちは何をすれば良いのか。
原因や因果関係、解決策やそのヒントの提示が全くなされておらず、良く解らないまま始まり、よく解らないまま終わってしまいました。
納得も理解もないので一連の流れを見ても困惑するばかりでスッキリしません。
何処かで明かされる設定だろうと思ったら、理解不能が堆く積み上がるだけで何ら解決しませんでした。
一体何だったのだろう。