
ギャグにする場面?
話の内容は兎も角、起こっている事態に対して、リアクションや演出がギャグテイストで大きな齟齬を感じました。
頭がおかしい。
脱走した工藤が報復に訪れるシーンでは、バイスがツッコんでいる事から、状況にそぐわない、どうでも良い事を指摘している異常な場面ではあるようですが、フェニックスの収容施設から脱獄してきた凶悪犯が自身の生活圏に突如として現れたのに、第一声が「どうでもいいから靴を脱げ」なのは、ちょっとどうかと思います。
組みついて靴を脱がせようとしている間に、刺されでもしたらどうするのですか。
突然の事態に気が動転していると言う感じでもありませんし、いくら銭湯に縛られ、それを守る事を正義としているとは言え、さすがに異常です。
一輝の言動もかなり異常ですが、バイスのツッコミや間抜けな効果音を入れてコミカルにする演出も異常です。
あの緊迫した場面を茶化す意図が解りません。
役者さんはシリアスな雰囲気でやっているのですから、マスコットが余計な茶々を入れたり、場違いなセリフを吐かせたり、妙な効果音を入れたりと余計な事はするべきではなかったと思います。
学園に天彦が現れるシーンも、天彦がギャグ寄りの小物なので、自身が引き起こしている混乱に反してコミカルな反応・挙動しかしないのはまだ理解できます。
しかし、学生たちまでもまるでデッドマンズが見えていないかの如く振る舞い、プラナリアデッドマンに対しては一切反応することなく、変質者がさくらを訪ねてきたことに対してのみリアクションしている絵面はクレイジーにすぎます。
実はあの学園のさくら以外の人物はみんな、牛島家の人々と同じ学生や教師に扮するなにかで、デッドマンズなど何匹沸こうが一切問題ないということでしょうか?
あの異常なシーンが演出の意図したものであったのであれば、牛島家のリビングのようなもう少し解り易い異常なシーンだよと言う見せ方をして下さい。
どちらにせよ、ギャグテイストにするには不自然過ぎる場面です。
因縁が生えましたね
ヒロミさんに宿敵ができ、因縁が芽生えたことは喜ばしいのですが、ヒロミさんは本当に場の状況を考えずに自分の気持ちだけぶつけてくるなぁ…。
そう言うとこだぞ。
その自分語り、あの場面でする話?
せめて拘束、監禁してから話しに行くものじゃないですか?
大二はアレなので止めないのも仕方ないとして、狩崎はいつもヒロミさんに当たりがきついんだから、こういう時もいつも通り塩対応で遮って下さいよ。
フクさんの顔が凄い!
カメレオンに姿をコピーされ驚愕する良い若林と、成り代わる悪い若林の表情の違い。
「グラシアス・デッドマンズ」の時の怪人体の顔を彷彿とさせる絶妙な顔!
狂笑から急に真面目な表情への切り替わり。
この人の表情芝居、どれだけ引き出しがあるんですか…。
若林の中身、カメレオンデッドマンズの正体は、後姿を見た感じ既存のキャラではなさそうに見えます。
わざわざオリジナルの姿に付言しているので既存キャラっぽいのですが、背格好や体格、髪形がそれっぽくありません。
生贄
ああ、急にさくらに興味を失ったので不思議だったのですが、一応生贄候補として見ていたんですね。
アギレラ様はやや予想外です。
ギフの花嫁なんていかにもなポジションだったので、最も重要な生贄や、復活後に同化吸収される生贄だとは思っていましたが、騙されて失意の中生贄になるのかと思いきや事前にちゃんと教えてくれるんですね。
プラナリアの代理契約でフェーズ2を量産できる設定も、結局何の意味も無くなっていて、その点も予想外です。
一人ぐらいは天彦に強制されて生贄になる人物がいた方が、より凶悪さが増すと思うのですが。
正鵠を射る
カゲロウと言い、工藤と言い、敵の方が一輝君の事を良く解っていますね。
一輝君はお節介なので、人の気持ちなんて解っていないし、考えていません。
珍しく一輝君が人の話を聞き、自身を顧みたシーンなのですが、これ、カゲロウが大二の顔でやる方が効いたと思うんですよ。
カゲロウは結局のところお兄ちゃんに勝ちたいが最大の欲求で、お兄ちゃんを傷付けたいは副次的なものなので、舌戦は控えめだったのが勿体ないですね。
一輝君にとってのモブでしかない工藤から聞くのと、大二に言われるのとではダメージも違うわけで、実に勿体ないです。
凹んだ一輝君を肯定してくれるのがバイスなのもどうかと思います。
相棒とは言いますが、自身の心から生まれたものでしょう?
ただの自己肯定なのでは…。
それが悪い事だとは思いませんし、ヒーローはお節介な方が良いとは思いますが、お節介で周りを顧みず、敗者や弱者の気持ちが解らない独善的な一輝の言動を肯定してくれる存在は、彼の家族であったり、周りの友人・知人であるべきだと思います。