仮面ライダーゼロワン 最終話「ソレゾレの未来図」感想
ストーリー
・無数のアークが産まれ世界が滅亡する
いつの間にか悪意=アークと言う事になっていて疑問を感じていたのですが、結局よく解りませんでした。
ヒューマギアは兎も角、人間が悪意を持ってもそれが=アークにはならないでしょう。
まさか人間の悪意に反応してアークドライバーとキーが無から生まれてくるわけでもないでしょうし、アズが消滅すればすべて解決する話なのではないでしょうか?
最大の問題だった或人くんと滅も一通り暴れたら心に折り合いが付いたので、もう悪意とかどうでも良いですって感じでしたし、本当に何だったんだろう。
・滅
成程。
自身の心と言う制御不能のものに怯え、頑なに心の存在を否定していたんですね。
良いですね、こう言う王道を踏襲しているキャラは好きですよ。
なんだかヒューマギアの中でもとりわけ心に対して過剰反応を示している気もしますが、他が淡白なだけで、むしろこれぐらいの方が自然な反応ではないかなと思います。
そう言うキャラであるならば、ヒューマギアなのにやたらと不合理な行動をとっていた事にもある程度の納得や共感ができますし、これまでの行動にも違った見え方が出てきますね。
その心の御し方を、父である其雄の死を乗り越え、其雄に諭された或人くんに教えられると言うのがまたエモイ。
・其雄
本来心を持たないはずのヒューマギアで、本人も心が無いから心から笑う事は無いと言っていた其雄が心の制御を失った或人くんの前に現れ、心の強さを語るとは。
こう言う部分部分は本当に良い出来ですね。
諸々から目を逸らし耳を塞ぎ、このシーンだけを切り取れば凄く良いと思います。
・或人くん
この子、不破さんの事、本当に一切何とも思っていないんですね。
前回も路傍の石をどけたぐらいの認識なんでしょうか。
アレだけやられて、全く心に響いていなかったとか、ショックです。
自分を持ち上げてくれるヒューマギア以外は本当にどうでも良いんですね。
そう言った不条理で残酷なものこそが人の心であると言う事を体現しているのかな?
またイズの扱いも酷いものですね。
人間とヒューマギアが笑顔になる事を夢として掲げヒューマギアの心を認めるのであれば、同型機体の個別の自我を尊重すべきだと思うのですが、あくまで自分が知っているイズしか認めないんですね。
初期から一貫していますが、最終話になっても相変わらずヒューマギアの個体差や意思を尊重するつもりは全くなくようです。
周りも周りで元通りのイズとか言ってしまう辺り、根本的な歪みを感じます。
・不破さん&唯阿さん&天津さん
迅君の修復、何で途中でやめてしまったの?
途中まで最終決戦に介入しようと頑張っていたはずなのに、結局間に合わず、何の成果もなくただ見ているだけの間抜けな人達になってしまっていて、非常に残念でした。
特に不破さんは先週体を張ったのに、何の意味も無かったようで不憫です。
・消えたモブヒューマギア
暴徒化していたヒューマギアは結局どうなったのだろう?
或人くんと滅の決戦が終わったら、何事も無かったかのように鎮静化して通常の業務へ戻ったんでしょうか?
存在ごと消えていて、誰も何も言わず、何の描写もないので気になって仕方がありません。
暴走実績があり過ぎますし、ドライバーもキーも無しにマギア化することが証明されたのでヒューマギア排斥運動が再発しても全く不思議はないと思うのですが、こんな状況でヒューマギア事業の拡大とか、出来るんだろうか?
・仮面ライダー連呼
皆変身できるから良いのですが、挙って連呼するのはなんだか面白い感じになるからやめて欲しかったです。
変身もしていないのに、仮面ライダーだとか言われても…。
特に不破さんとか、無職のゴリラになってしまったんだろうか?
・続きは映画で
本来あったであろう映画がコロナのせいで潰れたり、お仕事勝負で無駄に尺を取ったり、コロナで暫く撮影ができなくなったりしていた影響ですね。
少々収まりは悪いですが、仕方ない事だと思います。
アクション
・アークワンvsアークスコーピオン
武器を次々に使い捨てながら切り結ぶのは良いですね。
二刀流アクションが珍しい事も相まって見応えがありました。
途中でアタッシュショットガンを生成していて、それができるのであればわざわざ地面に武器生やす必要は無かったんじゃないかなと思ってしまいましたが、絵面は良かったです。
・リアライジングホッパー
滅のパンチを受け止めながら徐々に変身していくシーン、超カッコイイですね!
変身時の音声も、その後の泥臭い殴り合いも好きですし、高速移動とジャンプで蠍の尻尾を踏み越えながら接近する所もカッコ良かったです。
ゼアの計算ではゼロワンはこれ以上のスペックアップを望めないはずなのにカタログスペックが上がっている所や、変身音声がイニシャライズからの「turns to take off toward a dream」になっている所が最高ですね。
やはりスーツのデザインと小物は素晴らしいです。
総括
ベルト・スーツ・コレクションアイテムのデザインと、人工知能と言うテーマは良かったと思います。
特にスーツとベルトは敵味方共にカッコ良く、殆どハズレの無いデザインでした。
ショットライザーだけは、バックルに銃が直接ついているデザイン、ダサい待機音、ノーマルバルカンのモチーフの分かり難く、素直にカッコいいとは言い難いデザインも相まってイマイチでしたね。
ゴリラ以降のバルカンはデザインも良いですし、バルキリーもカッコ良かったのですが、ショットライザーと初期バルカンはイマイチな印象です。
尺の都合かゼロツーの出番が極端に少なかった点も残念ですね。
ゼロツーはスーツも動きもカッコ良かったので、もう少し活躍が見たかった。
アクションは正直地味でしたがカメラワークとエフェクトで見栄えよく整えられていて良かったと思います。
見栄えの良い時とそうでもない時の差が激しくムラがあったかなとは思いますが、シーズンを通して楽しめました。
キャラも良かったですね。
不破さん達が最後何もしていなくて残念でしたが、不破さんは境遇も言動もマジ主人公していてカッコ良かったです。
或人くんは…お笑い芸人設定は要らなかったんじゃないかなぁ。
父親を心から笑わせたいと言う思いから芸人になったと言う設定は良いのですが、空気を読まずただ大声で叫ぶだけの一発ギャグを披露する頭のおかしい人にしか見えませんし、言動もヒューマギアの事を考えていると言う設定の割には、ヒューマギアの自我を認めていないようですし、疑問が残ります。
会社を買収されて福添さんに頭を下げて会社の事を頼む所や、イズを破壊され悲しみに暮れている所にアークワンキーを差し出された時等、所々カッコ良かったのですが、ヤバい言動の方が多かったように思います。
兎角、お話がダメなので、それに引っ張られてストーリーの中心にいるキャラ程、残念な感じになっているのが勿体無い。
迅君とかイズはシナリオの都合で雑に死んでいますし、雷も尺の都合でまともに戦闘させて貰えずしれっと人間側に戻ってきていましたし、1000%社長も敵から味方に寝返っただけで殆ど制裁も受けずに受け入れられていて違和感を覚えます。